何曜日だっていざよいちゃん

世界は生きづらく、そして美しい。

七歳で果たし状をもらった話①

みなさんは、果たし状をもらったことはございますか?
絶滅危惧種とも言えようあいつ、私は七歳にして叩きつけられたのです。

小学校に入るタイミングで、私は住んでいたアパートの隣町にある祖母の家に引っ越しました。
そして二軒隣の家に一つ上の女の子(双子の弟もいた)が住んでいて、その子(Hちゃんといいます)とその友達数人と、私は毎朝学校に行くことになりました。

みんな越してきたばかりの私に、優しく接してくれました。学校から帰って、一緒に遊ぶこともよくあったんですよ。
でも私はお察しの通り人見知りといいますか、まあコミュ障だから……ずっとその年上の子たちに対して「うん」とか「そうだね」くらいのことしか話せなかったんですよ。
ほぼカオナシみたいな。
一年経ってもそんな感じでした。そしたらHちゃんがある日突然ですね、

「どうして十六夜ちゃんて、そんな感じなの?」

みたいなことを言ってきたんですよ。
一年間なにも言わなかったのになに? イライラしてんの? 生理?(八歳だけど)ってなりますよね。

しかしそれからHちゃん、私に攻撃的になりました。「一日に五回はまともな会話をしないと、友達やめるよ」とか言うんですよ。今なら「別にどーでもいーじゃんそんなやつ」と思えますが、七歳ですよ。今まで隣で優しくしてくれた子が友達やめるって言ったら、もうどうしたらいいかわかんないんですよ。だから頑張りました。「好きな食べ物は?」とか聞いたりして。

しばらくして、Hちゃんは会話だけでなく、物を要求するようになりました。
「小学校二、三年で物を要求するって、なんぞ?」
と思われるでしょう。
最初は髪飾りでした。髪が長いから、たくさん持ってたんですよね。それを「一番お気に入りのをちょうだい」って言うんですよ。「友達やめるよ」とセットで。
だんだん髪飾りも少なくなって、Hちゃんも「こんな地味なのが一番お気に入りなわけないでしょ!」って言ってくるんですけど、いや、お前が持ってっちゃうから、って感じでした。
あとは……キッズコスメ(と言えばいいのか)ですね。お誕生日に買ってもらったやつ。いっぱい持っていかれちゃって……。893みたいだった。

それにセーブがかかったのがいつ頃だったか、覚えてないんですけど、とりあえず終わりは来たんですよ。毎朝母が髪を結んでくれるから、髪飾りが減っていくのに当然気がついて。相談をはじめて、その頃ですかね。

Hちゃんから、果たし状が届いたのは。